悪性リンパ腫は、日本で最も多い血液がんの一つであり、年間10万人あたり30人もの方が発症しています。
その予防法や治療法には課題があるのが現状ですが、水素吸入療法が新たな可能性を示唆しています。
本記事では、悪性リンパ腫の基本から水素吸入との関係について、最新の研究報告をもとに解説していきます。
なお、悪性リンパ腫以外のがん種との関係については、『水素吸入と「がん治療」の最前線まとめ』をご覧ください。

悪性リンパ腫は、日本で最も多い血液がんの一つであり、年間10万人あたり30人もの方が発症しています。
その予防法や治療法には課題があるのが現状ですが、水素吸入療法が新たな可能性を示唆しています。
本記事では、悪性リンパ腫の基本から水素吸入との関係について、最新の研究報告をもとに解説していきます。
なお、悪性リンパ腫以外のがん種との関係については、『水素吸入と「がん治療」の最前線まとめ』をご覧ください。

悪性リンパ腫は血液がんの一つで、白血球の仲間であるリンパ球が異常に増える疾患です。
日本で一番多い血液がんであり、年間10万人あたり30人ほど発症します1)。
70歳代の人がもっとも多く発症し、予後も一概によいとはいえないため、決して見過ごせません。
悪性リンパ腫の原因は明らかにはなっていませんが、リンパ球の遺伝子異常によって発症すると考えられています2)。
リンパ球が遺伝子異常を起こす原因には、以下のものがあります3)。
悪性リンパ腫の症状は、リンパ節の腫れと炎症反応による全身症状の2つに大きく分けられます。
リンパ節の腫れは首やわきの下、足のつけねが触れやすく、感触が特徴的です4)。
炎症反応による全身症状は、発熱や発汗、食欲低下、体重減少などがあります6)。
ほかにも、各臓器でリンパ球が増えることで、それぞれの臓器特有の症状が出ることが多いです。
患者さんの体調や悪性リンパ腫の種類、進行状態などから治療法が決められます。
悪性リンパ腫の治療法は大きく3つに分けられます7)。
まれに手術をすることもありますが、基本的にはこの3つの治療法が用いられます。
悪性リンパ腫は予防がむずかしいといわれています。なぜなら、悪性リンパ腫はほかの病気の治療が原因になりうるからです。
悪性リンパ腫の予防のために、ほかの治療の薬剤や放射線の量を減らすと、治療効果が薄れてほかの病気を治せない可能性があります。そのため、悪性リンパ腫を予防する方法は確立されていません。
しかし、そのなかで水素が悪性リンパ腫の予防につながる可能性が示唆されています。
2011年に、水素吸入療法が悪性リンパ腫の予防に役立つ可能性を示唆する研究結果が中国で報告されました8)。
この研究では、放射線により胸腺の悪性リンパ腫を発症するマウスが用いられています。それらマウスを水素水の投与群と生理食塩水の投与群に分け、週に4回放射線を照射しました。
すると、水素水の投与群は悪性リンパ腫の発症率が有意に低下し、発症するまでの期間も有意に長くなったというデータを示しました。
またこの研究では抗酸化作用についても調べており、放射線による活性酸素のレベルが水素水の投与群で有意に減少したことが示されています。
放射線が生み出す活性酸素は遺伝子にダメージを与え、悪性リンパ腫などのがんの原因となります9,10)。
今回の研究では、活性酸素のレベルが水素水の投与群で低下したことで、水素の抗酸化作用が示されました。この抗酸化作用により悪性リンパ腫の発症率が低下したと考えられるので、水素の抗酸化作用が悪性リンパ腫を予防する可能性が示唆されたといえるでしょう。
水素吸入療法の方が水素水よりも水素の吸収効率がよいので、水素吸入療法の研究が進められれば、悪性リンパ腫の予防により効果的な可能性が示されるかもしれません。今後の研究報告を待ちたいと思います。
さきほどは悪性リンパ腫を防ぐことに焦点がおかれていました。
実は、悪性リンパ腫の治療の面でも水素の効果が期待できるかもしれません。
悪性リンパ腫などのがんで用いられる化学・放射線療法は、治療効果がある一方で酸化ストレスや全身炎症を引き起こす原因となります。酸化ストレスや全身炎症は神経系などの重篤な副作用を引き起こすだけでなく、がんの転移や治療の中止にもつながりかねません。
そのなかで、水素吸入療法はこれらの副作用を抑え、治療効果を高めるのに役立つことがいくつも報告されています11)。具体的には、がん患者の放射線治療後に起こる骨髄障害が、水素吸入療法を併用することで有意に軽減されたとの報告がありました12)。
また、進行大腸がんの患者に化学療法と水素吸入療法を併用することで予後が改善したという報告もあります13)。
こうした研究結果から、水素吸入が悪性リンパ腫の治療による副作用を軽減し、治療効果を高める可能性がうかがえるでしょう。
悪性リンパ腫に対する水素吸入の可能性をこれまで見てきました。
結論としては、知見がまだ少ないと感じます。
悪性リンパ腫の予防について紹介した研究報告は2011年の論文であり、それ以降に悪性リンパ腫と水素の関係性を調べた研究は現在ありませんでした。
しかしながら、がんの水素吸入に言及した論文は数多くあり、予防や治療などさまざまな視点で報告されています。
水素吸入の研究は現在かなり進んできているので、悪性リンパ腫に言及した報告が増えていくのもそう遠くない未来だといえるでしょう。
悪性リンパ腫の予防や治療に、水素吸入が明るい未来を与えてくれることを願っています。
水素吸入に関する研究論文・疾患別考察・基礎知識をまとめる編集チーム。特定メーカーに属さない中立的な立場で、医師監修・ファクトチェック体制のもと、エビデンスに基づく情報を発信しています。
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