関節リウマチの国内の罹患率は0.6~1.0%とされており、全国に60~100万人の患者さんがいると言われています。1)
進行すると軟骨や骨にもダメージが及んで関節変形し、日常生活にも支障をもたらしQOL(生活の質)低下を招き、要介護にもなりうる身近な難治性疾患です。
本記事では、近年様々な健康分野において注目を集めている水素吸入療法が関節リウマチの予防や症状改善に役立つのかについて、研究データをもとに解説していきます。
《▼YouTube動画版での解説▼》

関節リウマチの国内の罹患率は0.6~1.0%とされており、全国に60~100万人の患者さんがいると言われています。1)
進行すると軟骨や骨にもダメージが及んで関節変形し、日常生活にも支障をもたらしQOL(生活の質)低下を招き、要介護にもなりうる身近な難治性疾患です。
本記事では、近年様々な健康分野において注目を集めている水素吸入療法が関節リウマチの予防や症状改善に役立つのかについて、研究データをもとに解説していきます。
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関節リウマチは、関節の内部に炎症が生じて痛みや腫れを引き起こす病気です。
まずは、関節リウマチの原因や症状、治療方法などについて詳しく見てみましょう。
関節リウマチの明確な発症メカニズムは解明されていません。遺伝や感染症が発症の引き金になると考えられていますが、原因ははっきり分からないのが現状です。
関節リウマチは、自分の体の一部を自分の細胞が攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つとされています。具体的には、関節の中にある滑膜という組織が免疫の細胞に攻撃されて炎症が生じ、異常増殖することで痛みや腫れが引き起こされます。そして、進行すると軟骨や骨にもダメージが及んで関節変形し、日常生活にも支障をもたらすようになるのが特徴です。
関節リウマチの症状は特に手足の指や手首に生じやすく、40~60歳の女性に多く見られます1)2)。
関節リウマチは、早い段階から免疫の異常を抑える抗リウマチ薬を用いた薬物療法を行う必要があります。また、痛みが強い場合には炎症を抑えるステロイドや消炎鎮痛剤などを併用して使用します。
一方で、関節リウマチは進行すると関節の変形を引き起こすため、関節の機能を回復させるための手術が必要になるケースも少なくありません1)2)。
関節リウマチは関節に慢性的な痛みが生じたり、関節の動きが悪くなったりすることで生活の質を下げる可能性がある病気です。そのため、関節リウマチの治療法の研究は日々進められています。
水素吸入療法も最近注目されている方法の一つです。水素ガスと関節リウマチの関係について詳しく見てみましょう。
先述したように、関節リウマチの発症メカニズムは解明されていないため、水素吸入療法と関節リウマチの予防に役立つかについては、まだまだ不明な部分が多いです。今後メカニズムが解明され、それが活性酸素や酸化ストレスなど水素吸入療法に関わるものである場合は予防の期待ができるかもしれません。今後の研究に期待したいと思います。
予防に関してはわからない部分が多いですが、水素吸入も関節リウマチの症状は改善する効果があるとの研究結果が報告されています。
関節リウマチの患者を対象に水素を含む生理食塩水を5日間点滴した群と水素を含まない生理食塩水を点滴した群を比較した研究結果が2016年に発表されました3)。発表によれば、水素を含む点滴をした群は関節リウマチの3つのバイオマーカー※を優位に減らしたことが明らかになっています。一方、水素を含まない点滴をした群のバイオマーカーは増加しているものもあり、水素を含む点滴が関節リウマチの症状を抑える可能性が示唆されました。
※バイオマーカーとは、病気の有無や症状の変化の指標となる体内の物質
また、この研究では水素を含む点滴をした群において、体内から水素がなくなった後もバイオマーカーの減少が確認できたとされています。
水素には炎症によって引き起こされる活性酸素を抑制する働きがあるため、炎症を改善するという考え方が一般的です。しかし、この研究結果では体内の水素が排出された後も改善が認められました。そのため、水素ガスは単に活性酸素を取り除くだけでなく、免疫のシステムに作用して関節リウマチの活動性を継続的に抑える可能性があることが示唆されました。
関節リウマチは、関節内の滑膜という組織に炎症が生じて異常増殖する病気です。関節リウマチ患者の滑膜にはTGF-β1などの物質が多く存在し、滑膜の組織の異常増殖を促していると考えられています。
関節リウマチ患者の滑膜を使用した研究によれば、水素吸入を行うと滑膜のTGF-β1などが少なくなることが明らかになっています4)。つまり、水素は関節リウマチの進行原因である滑膜細胞の異常増殖を抑える可能性が示唆されたのです。
関節リウマチは中年以降に発症する方が多く、決して珍しい病気ではありません。しかし、進行すると関節の変形を引き起こすなど日常生活で問題となる症状を引き起こす病気でもあります。
現在、関節リウマチの治療の主体は薬物療法となっています。関節リウマチに効果がある治療方法の開発が進められており、適切な治療を継続すれば重症化を抑えることも可能です。近年では、活性酸素を取り除くことで注目された水素吸入が関節リウマチの症状を改善したり進行を予防したりする可能性を持つことがさまざまな研究から明らかになっています。
マウスやヒトを対象とした研究でも、水素吸入は関節リウマチの症状を改善させる効果があると報告されました。しかし、現段階では水素吸入は確実に関節リウマチを予防したり改善したりすると断言することはできません。
関節リウマチのつらい症状に悩んでいる方は水素吸入を試してみるのもよいですが、必ず標準的な治療と併用して行いましょう。水素吸入はあくまで標準的な治療の補助と考えてください。
水素吸入に関する研究論文・疾患別考察・基礎知識をまとめる編集チーム。特定メーカーに属さない中立的な立場で、医師監修・ファクトチェック体制のもと、エビデンスに基づく情報を発信しています。
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